5 雇用と地域経済を守れ。青年に雇用を。雇用確保と地域経済の活性化は自治体の重要課題であるとの認識のもと、奈良県の真剣な取り組みが求められています
今井光子議員 雇用と地域経済をまもる問題で3点質問します。1点目は長時間労働、サービス残業をなくす取り組みです。
雇用不安の拡大は暮らしと、経済に深刻な打撃となっています。政府は大企業のリストラを応援し、さらに、労働法改悪で不安定雇用を増やし、雇用不安と、失業を増大させています。職場では人が減らされ、長時間労働と違法なサービス残業が増え続けています。サービス残業を無くすだけで第一生命研究所の調査では161万人の雇用が増えます。
新日本婦人の会奈良県本部が「パパ早く帰って来て」のアンケートをとりましたが残業が多いと答えている人が7割、そのうちサービス残業は46%、一部サービス残業をふくめると53%になります。「出勤から帰宅まで16時間半から20時間半もありサービス残業で子どもと過ごすのは日曜日のみ、過労死が心配。夫婦の会話もふだんは無い」「睡眠時間が心配」など深刻です。東京都ではサービス残業を調査することになりましたが、奈良県でもサービス残業の実態を調査し、サービス残業をなくし新たな雇用に結び付ける対策を講じるべきと思いますがいかがでしょうか。
2点目は若者の雇用問題です。青年の10人に1人が仕事につくことができません。
収入も地位も不安定なフリーターが全国で417万人にもなっています。若い人の雇用が安定しなければ、年金未加入者の増大は社会保障制度の根幹を揺るがし、結婚できないことは少子化につながり、社会的に継承されなくてはならない技術技能がうけつがれないなど、社会的大問題です。また子どもが自立できないことは親にとっても深刻な悩みです。
全国では95年から2001年までに大企業は青年の正社員を100万人以上減らしています。大企業の乱暴なリストラが就職難とフリーター増加の大きな原因です。
定職に就けず「自分は社会に必要とされていないのでは。人間として否定された気持ちになる」と思う青年も少なくありません。フリーターの7割が正社員としての雇用を望んでいますが、いったんフリーターになると企業からの採用も厳しくなりなかなか抜け出せません。企業が正社員を採用する場合は、パートや、アルバイトを優先させるように国に働きかけるべきと思いますがいかがでしょうか。
低賃金で、蓄えもないフリーターの若者が、安心して職業、訓練が受けられるよう有給の職業訓練制度や、訓練貸付制度を作るなど支援すべきと思いますがいかがでしょうか。
3点目は自治体独自の経済、雇用対策です。
深刻な雇用危機のもとでも脱ダム宣言で公共事業を半減した長野県では、生活密着型公共事業で地元の仕事を増やし、製造業、農業、観光業の既存基幹産業と、福祉、医療、環境、教育の成長分野の連携融合などで「4年間で2万人の常勤雇用を創出する」プランを策定し努力が始まっています。岩手県では「5年間で3万人新規雇用」、鳥取県では「高卒者の新規採用に奨励金」、など自治体独自の雇用支援が始まっています。
奈良県では、17000人の雇用創出プランを策定しましたが、これまでの緊急雇用対策は地方自治体の地域振興策との連携がなく進められて来ました。
今必要なことは製造業、商業、農林業など地域経済、産業の本腰を入れた実態調査をおこない、そのうえに立ち、住民の英知を結集した街づくり、雇用、産業政策を練り上げるべきではないでしょうか。 県内産の安全な食べ物を求める消費者は増えていますが、農産物需要に対し、県内生産は15%です。農業の活性化で若者の雇用の場を増やせるのではないでしょうか。バリアフリーの街づくりで県産材を活用すれば、林業も建設関連業者も仕事が増えます。障害者や、高齢者が安心して暮らせる町は、奈良県の観光の目玉にもなるでしょう。市町村とも連携し地域経済や地場産業振興、中小企業支援や町おこしなど地域振興策と一体となった賃金助成制度など有効な対策を実施し政府の進める臨時的な雇用だけでなく安定的な雇用を生み出すべきと思いますがいかがでしょうか
池田好紀理事・商工労働部長 サービス残業をなくして新たな雇用に結び付ける対策を講じるべきではないかという質問ですが、いわゆるサービス残業につきましては、労働基準監督署の所管として事業所への立ち入り調査を年間約1000件、実施しております。必要に応じて、是正指導もおこなわれていると聞いているところであります。また、厚生労働省では賃金不払い残業総合対策要綱、いわゆるサービス残業の総合対策要綱ですが、および、それに基づきます指針を本年5月23日に策定されたところであります。
県としましては、労働基準監督署など関係機関と連携しながら、情報収集をおこなうとともに、各種セミナーや労働関係広報紙等をつうじまして、適正な労働時間の重要性、あるいは賃金の適正な支払いについての周知、啓発に今後とも努めてまいる所存であります。
企業が正社員を採用する場合、パートやアルバイトを優先させるよう国に働きかけるべきではないかということと、職業訓練をうけられるよう訓練にたいする貸付制度の支援をすべきということでございますが、経済の低迷が長引くなかで、若者をとりまきます雇用環境は、失業者の増加、正社員が減少し、パート・アルバイトとして働く人の増加など厳しさをましていることは十分認識しているところであります。
県におきましても、新規高校卒業予定者および若年不安定就労者の就業対策につき、来年度も政府にたいして予算要望をおこなっているところであります。国におきましては、6月に若者自立挑戦プランをとりまとめ、これを推進していくために概算要求ではフリーターから正社員への登用制度の普及・促進、若年失業者に試行雇用を実施し、若年者の雇用を推進していく内容が盛り込まれたところであります。今後とも、引き続き、国へ要望していまいる所存であります。
なお、フリーター等の若年者を対象としました職業訓練制度につきましては、特殊法人雇用能力開発機構におきまして、フリーター等の若年者を対象とした職業訓練を実施しているところであります。また、技能者育成資金制度として、若年者を特定したものではございませんが、公共職業能力開発施設等がおこないます職業訓練生にたいしての融資をする制度がございます。
近年の急速な経済のグローバル化、サービス産業の進展など産業構造の変化に対応した総合的な雇用対策、魅力ある地域づくりを推進し、安定した雇用創出を図って行くことは、当然必要でございます。このため、県におきましては、奈良県雇用創出拡大協議会を設置いたしまして、産業の振興等による新規雇用創出や産業構造変化に対応した、雇用対策等について協議をいただきますとともに、奈良労働局と連携をいたしながら、毎年、県内企業の状況や雇用情勢を把握するため、経済雇用動向アンケート調査を実施いたしまして、これをもとに、効果的な雇用創出、拡大にむけての施策を検討、実施をしているところでございます。
本年1月に同協議会におきました、平成16年度末までに17000人の雇用創出を目標値としました奈良県雇用創出プランを策定して、現在、推進しているところであります。なかでも、新産業創出などによります、新たな雇用の受け皿づくりが課題とされていますことから、IT産業等の創出、創業支援、保育や介護、医療、健康、環境分野等の新規成長分野におけるサービス産業の創出支援、地場産業の活性化、中小企業の経営革新等の振興支援にとりくんでおります。また、市町村との連携によります企業立地促進連絡会議を設置しているところであります。今後とも、官民一体となって、雇用失業情勢の改善に取り組んでまいる所存であります。 |