日本共産党奈良県議団ホームへ
一般質問2003年9月定例議会一般質問-2/7P
今井光子県議
2003年9月30日

2 大滝ダム 仮設生活はもう既に2カ月。住民の安全第一に、完全移転と移転にともなう生活保障を国に求めるとともに、県独自にも見舞金支給を求めます

今井光子議員質問  大滝ダム問題について4点質問します。まず地元住民の安全対策です。一日も早い、全戸移転が、住民の切実な願いです。住民が仮設住宅に転居される姿をNHKで放映していました。嫁入りダンスまで運び出したほうがいいと言われ、年老いた女性がもう帰ってこれないのかと涙を流している姿から、つらい思いが伝わってきました。もう既に2カ月です。
 仮設ではプライバシーが守れない、エアコンは取りつけてくれたが基本料金しか援助が無いので電気代を考えるとつけることもできない。畑にも行けず何もすることがない。帰りたい一心で痴呆がすすみ施設に入った方もおられます。長年住み続けた土地を離れ全戸移転を要求するのは並大抵の思いでは在りません。
1日も早い全戸移転と、移転にともなう生活保障を国にもとめるとともに、県の
見舞金の支給を。安全調査を実施すべきです
 国は対策を講じれば、また戻れると思っているのでしょうか。たとえ国から安全対策をしたから大丈夫だといわれても、万全だという保証はどこにもありません。国への信頼は既に失われています。
 県は、川上村が疲弊しないような形での1日も早い全戸移転を進めるよう国に働きかけるべきと思いますが、いかがでしょうか。借移転によって生じた生活困難に対する生活保障を国に要望するとともに、せめて県独自の見舞金などの支援をすべきと思いますがいかがでしょうか。
 川上村の集落の多くが地滑り地帯です。安全を第一課題としてダム運用を急がず全村民が納得できるようにダム全体の安全調査を実施するよう国に要望すべきと思いますがどうでしょうか。
今回の地すべりの対策費用は国の責任で

 次に国の責任問題です。大滝ダムで4月末ごろから発生したひび割れは、たん水による地滑りであることが、国の大滝ダム白屋地区亀裂現象対策検討委員会で確認されました。
 いまから30年前、白屋地区の地滑りについて住民の依頼により調査を実施した学者は「ダム建設により白屋地区の地滑りは拡大され、それを防止する方法がないので対策としては水没者と同様に安全なところに移転するしかない」と調査結果をまとめました。1980年3月5日の衆議院予算委員会で、日本共産党の辻第一衆議院議員はその結果を指摘し対策をもとめ、政府は「ダムの貯水によって地滑りを起こさないよう必要な対策工事を十分行って参りたい。長い年月耐え得る工法なども考えながら対処して行きたい」と答えています。しかし、地滑りは試験たん水によって引き起こされました。
 9月12日、共産党の奈良地方議員団は、国土交通省にたいして責任を明らかにすべきと申し入れました。国は対策が不十分であったことを認め、その責任を重くうけとめているとの回答がありました。 大滝ダムの工事費は地元負担を伴い県営水道に跳ね返ります。当初計画の予算230億円が今では3210億円と14倍にもなっています。県は既に約500億円も負担してきました。来年、国は70億円の予算をつけるといっていますが、このままでは約10億円が県負担になると聞いています。この先いくらかかるかは全く不明です。今後の地滑り対策費は国の負担で行うよう、要望すべきと思いますがどうでしょうか。

調査結果の全面開示と第3者機関での検討を

 3点目は情報の全面公開と、第三者による検討です。
 地滑りを予想する調査結果がありながら、指摘する対応が実施されず、地滑りが起こったというのは日本のダム史上でも例がありません。多くの学者、研究者がこの問題を調査研究しています。大規模調査は個人ではできません。
 今後に教訓を生かすために調査結果の全面開示と対策委員会だけでなくて第三者の意見をしっかり受け止め、反映できるしくみをつくることが、今日の技術の英知を集め最善の対策を取る事ができる得策ではないでしょうか。国に要望すべきと思いますがどうでしょうか。

ダム共用開始の遅れの県営水道への影響

 最後にダムの供用開始の遅れは、県営水道の水供給にどのような影響が出てくるか、お聞かせください。

柿本善也知事答弁  地元住民の安全対策、移転調査等については、国において現在、亀裂現象のメカニズムや対策工法等の調査を実施中でございまして、今後、これらの調査結果を踏まえまして、対応方針が示されるものと考えております。県といたしましては、住民の方々の仮設住宅の生活が2カ月続いているという、現状にございますので、国が地元の要望も踏まえ、早期にこれらの方針を確立するように、重ねて要望しているところでございます。国が決めました方針をうけて、事業者である国や、村と一体となって対策をすすめていく、こういう手順になると考えております。
 また、県といたしましては、ダム工事本体に直接かかわる事柄以外で、たとえば住民の安全確保等につきましては、奈良県川上村白屋地区安全対策協議会というものをおいておりますので、ここをとおして、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。いずれにしても、私、常に国の方に申し上げておりますのは、国において全国でいままでも処理されてきた、いろいろなこうした問題にたいする知見、専門家がいらっしゃる、これを結集して調査にあたっていただきたいということを、重ねて要望してきたところでございます。また、国においては必要な調査を、この地区以外について調査をしておられて、その結果では、これまでに異常がでているということは聞いておりません。
 国の責任ではなかろうかということですが、これは常に、大滝ダムというものは国の直轄事業として建設がすすめられております。しかし、本県は治水、利水に参加している立場から、実質上は実施主体である国と一体となってダムの早期完成にむけて取り組んできたところでございます。事業費は治水、利水などの受益程度に応じて、関係機関が担当するのがルールとなっております。今回の亀裂現象は試験たん水の最中に発生したものでございます。まだ、ダムは完成していない状況と考えており、県といたしましては国から示される、具体的な対策工事がまずは、円滑にすすめられるよう必要な対応をしてまいりたいと考えております。
 亀裂現象についての調査の開示等をすべきだということですが、国におきましては、亀裂現象の原因究明及び対策工についてはおこなっているわけでございますが、地滑りにたいする学識者で構成する大滝ダム白屋地区亀裂現象対策検討委員会が設置されており、現在、精力的に調査検討がおこなわれているものと考えているところでございます。
 また、私は、要望のつど、いままでの経験や知識を生かして、最高の体制で取り組んでほしいと、こういうことを申し上げてまいりました。なお、第3者の意見ということも、質問にございましたが、検討委員会の検討資料、あるいは白屋地区の観測データ等の情報は、紀ノ川ダム統合管理事務所のホームページに公開されております。また、そのホームページには一般の方々も意見を述べることができるようになっているようでございます。そういうこともご利用いただければと思う次第でございます。

奥家孝彦水道局長答弁  大滝ダムにつきましては、完成にともない毎秒3・5トン、日量30万2400トンの水利権が得られまして、安定した水供給ができるものと見込んでいたところでございます。完成が遅れますことにより、県営水道といたしましては、従前どおり、津風呂、大迫、室生の3ダムに加えまして、紀ノ川の毎秒1・5トン、これ日量では12万9600トンの水利権による水供給を続けることとなります。従いまして、大滝ダムによる利水が可能となるまでの間は水供給が、天候によって大きく影響されますことから、県営水道としましては、県民生活、企業活動への影響を最小限にとどめるため、本年度、整備を完了致しました斑鳩線、あるいはすでに整備済みの御所、天理管等を活用した御所浄水場、桜井浄水場、両系統の水融合、そして関係する受水の町村水道との調整などの対応をしてまいる所存でございます。

今井光子議員質問  早急、早急と、いつも言われますが、(日陰にプレハブが建っておりますので)もう、寒くなってきておりまして。早急というのは、どれほどの期間を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。それから、せめて、見舞金ぐらいは県でするべきではないかという点はお答えがなかったと思いますが、その点のお答えをいただきたいと思います。

柿本善也知事答弁  これはもう、できるだけ早くとしか申し上げるほかないと思います。来月半ばには、もう一度、委員会が開かれるようですし、そのときになるかどうか分かりませんが、最大限急いでいただく、これしか、今の段階で申し上げることはできないと思います。
 見舞金と言われますが、そういうことよりも、対応方針、大きな話をまず決めることです。私はむしろ、この白屋地区の一番軸の問題の、対応方針を早く決めていただく。一番先決事項だと考えておりまして、見舞金等については、今、年頭にございません。

ホームへ 一般質問目次へ この文書目次へ 前ページへ 次ページへ

© 2002-2006日本共産党奈良県会議員団 奈良県奈良市登大路町30 TEL0742-27-5291 FAX0742-27-1492