5.県立高校の統廃合計画について
山村さちほ議員
県立高校の統廃合計画について、教育長におたずねします。
「県立高校再編計画策定委員会」の「最終報告」が出され、県教育委員会はこの報告と同時に「県立高校再編年次計画」を発表しました。
わが党は、本年1月に「学校教育の諸困難を打開し、子どもたちのすこやかな成長をはかる教育改革についてのさしあたっての提言」を発表し、県立高校を現在の43校から10校削減する統廃合に反対し、普通高校を30人以下学級へ移行することによって、県立高校の統廃合はおこなわず、希望者全員入学をめざし、学区の合理的編成と総合選抜、普通高校での技術教育の実施、職業・専門高校での普通課程教育の充実を要求してきたところです。
そこで3点、質問します。
いまこそ県民的な議論をつくすべきであり、年次計画は撤回して、再検討すべきです
第1に、具体名をあげて最終報告が出されましたが、この具体的な計画を生徒や保護者、教職員、関係住民に示して、意見を聞く場はまったくありません。子どもたちや関係者がはじめて知らされたとき、それが、決定というのではあまりにも一方的なやり方ではありませんか。「高校がなくなることは、地域の経済にも影響が出る」「長距離通学で負担が増える」などの声もあります。
保護者や父母は、「途中で学校が変わることがわかっているんなら、もっと別の選択をしたのに」と、戸惑いの声を上げています。策定委員会は、きわめて恣意的なアンケートをおこなっていますが、この中でも、生徒は「人間関係が楽しく、なごやかな」高校にいきたいと答えています。「いまの学校のクラス数が、みんなが友達になれて、よい関係なのに、なんでクラスを増やすのかな」という疑問の声もでています。
子どもの権利条約では、子どもの意見表明権も規定されており、教育をうける権利の主体である生徒を尊重するためにも、今、具体的な計画をしめした上で、子どもたちの意見を聞くべきです。このような重要な内容の検討は本来、議会や公開の場で、慎重に議論されるべきものです。
いまこそ、県民的な議論をつくすべきであり、年次計画を撤回して、再検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
学力問題、入試問題などの解決なしには、「行ける学校」から「行きたい学校」への転換は実現できません
第2に、このたび発表された、県立高校再編年次計画によると、来年度の平成16年度には、4グループ8校の統合が平成17年には、5グループ10校の統合が、直ちにすすめられる計画です。
学校を1つつくるためには、教科の研究、在校生への教育的な配慮、施設の整備など、十分な準備が必要であり、簡単なことではありません。実施要綱もなく、県の計画はあまりにも拙速で乱暴な計画であります。
中学校では、もうすぐ三者懇談で希望校を決定していく時期です。その進路を決める際に、どんな校になるのかという全体像を、どのように知らせて行くのでしょうか。多くの生徒は、実際に高校を見に行って、説明を聞いて、不本意な入学にならないように考えています。まだ、具体的な内容が決まらないのに生徒を募集するのでは、「選択」の自由も保障されないのではありませんか。
これまでから教育条件整備の予算が年々減らされ、生徒達は劣悪な環境で学ぶことを余儀なくされてきた現実もあります。
「いける学校」から、「行きたい学校」がキャッチフレーズですが、今、学力の低下が深刻です。この問題の解決なしには、「行きたい学校」といってもいけないことになります。このような計画で、果たして、教育基本法にもとづいての学力の向上や、行き届いた教育ができるのか。いま、当面する重要な課題である、深刻ないじめや不登校などの課題を解決することができるのでしょうか。
わずかな期間に新しい学校の理念や教育方針を決め、さらに指導課目や、カリキュラムの策定、指導体制、施設整備など教育条件の整備ができるのでしょうか?。おこたえください。
計画は、高校の序列化の固定化につながるもの。先生もいて教室もある今こそ、30人学級を実現して、皆に行き届いた教育の実現を
第3に、保護者、生徒、教職員の一番の願いは、公立高校の受験競争の改善と高校間の学力格差の是正、生徒の基礎学力の充実、高校卒業生の就職の保障などです。
この願いには、全く答えず、現状の県立高校の序列化を「特色ある学校」として固定化、普通科を減らし、多様な選択を可能にしようといいますが、少数のエリートと、全面的な学力よりも個別の学科や専門科目で一定の能力を発揮できる多数の生徒との両極分化をさらにすすめるものであり、とうてい認められません。
教育行政の本来の役割は、憲法と教育基本法にもとづき、教育諸条件の整備と確立をすすめることです。
2002年度予算を基準にすれば、2007年度には、現在の255学級から現行の平均39.7人の学級のままなら、220学級に減少します。これを30人学級にすれば291学級となり、教職員を337人増やすことで実現できます。その経費は50億円増やすことで可能であり、無駄な公共事業をやめれば、できます。
30人学級を実現して、どの子もよくわかる教育をすすめてほしい、教育費の父母負担の軽減や、学校の荒れやいじめ、不登校などの問題を解決してほしいという切実な親と子の願いにこたえて、豊かな高校教育を実現していくためにも、今なすべきことは、このような統廃合計画をおこなわずに、30人学級の実現をすすめ、子どもたちにゆとりある教育を保障することであると考えますが、いかがでしょうか。
矢和多忠一教育長 県立高校再編計画につきましては、学識経験者、教育関係者、PTA、産業界等各方面の方々からなります県立高校再編計画策定委員会におきまして、多面的な見地から検討をいただいたものでございます。計画策定にいたるまでには、県民、高校生、中学生を対象に県立高校の将来像についてのアンケート調査をおこない、その結果を参考にするなど慎重に検討がおこなわれました。再編の対象校につきましてはこれまでの県立高校の特色や教育実績をいかしつつ、将来像の実現にむけて、生徒の通学状況や施設設備の有効な活用、山間等における高校の役割、県全体を視野に置いた高等学校の配置等の観点もあわせまして、総合的に検討されたものでございます。教育委員会といたしましては、この報告に基づき、年次計画を定め、平成16年度より着実に実施してまいる所存でございます。そのため、各高等学校にワーキンググループを設けて、教育目標や教育課程、校名、校則等学校運営に必要な事項を詳細に検討するよう支持をいたしました。また、年次計画を含め、再編計画の全貌につきましては、インターネット、ホームページに掲載するとともに、各方面にも機会をとらえて周知に努めているところでございます。このたびの再編計画は多くの生徒がまじわり、たがいに切磋琢磨するなかで自らを高められるような学習環境を整えるとともに、生徒の適正や興味関心、進路に応じた、生徒の選択を重視した教育をめざしております。こうしうたことから、適切な学校規模を確保するとともに、生徒の生活の場であります学級は40人を基準とし、教科の学習の場である授業は必要に応じて少人数編成でするなど生徒、一人一人の目標を大切にした高校作りに勤めてまいりたいと考えております。
山村さちほ議員 県民的な議論、これをもとめたわけですが、教育長はいろいろお知らせしているということでした。お知らせではなくて、意見を聞いてほしい、こういう声があるんですね。私たちは、直接現場の先生たちに、この間、お聞きいたしました。統合といわれてもこれほど難しいことはないんだ。学校の理念、あるいは目標、教育内容を、ほんとうに短時間の間できちんと責任をもってつくるというのは大変なんだ、2つの学校がいっしょになるとしても、移行中、在校生がいるわけだから、どういう配慮をしていくのか、そんな問題でもまったく準備なしにされる。また実際には受験制度を改善しないと、新しい学校をつくっても学力の格差をなくすのは難しい、こういうご意見を聞かせていただいております。私は、県民的な議論という点で、それが必要でないとする教育長のお考えを聞きたいんです。そして、よし、100歩譲って、こういう計画がだされたことを議論しても実施の年次計画というのを、どうしてこんなに急いで作られるのか、そこがわからないんです。なぜこんなに急がれるのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
矢和多忠一教育長 県立高等学校策定委員会以前に、県立高等学校将来構想審議会審議会を設置をいたしまして、13年9月に、審議会から答申をいただいております。この審議会には、学識経験者、県議会、産業界、教育界、保護者、一般の県民の方、合計17名はいっていただきまして、審議をいただきまして、特色ある学校づくり、魅力ある学校づくり、活力ある学校づくりを柱に行きたい高校の実現を図るという、そういう趣旨の答申をいただいたところでございます。それにもとづきまして、県立高校再編計画策定委員会を設けまして、中間報告、そして最終報告といただいております。また、途中でアンケートを実施をいたしまして、多くの賛同を得ております。そういうことから、再編計画を、また私どもたてました年次計画につきましては、多くの県民のみなさんのご賛同を得るものとかんがえております。
年次計画があまりにも短いのではないかと、そういう質問です。県立高校将来構想審議会におきましても、いまもうしましたような趣旨の答申がだされておりまして、また昨年の14年6月にも、策定委員会のほうから中間報告がだされております。それらの答申に基づきまして、各高等学校の方で、それぞれのあるべき方向について検討するように指示をだしておりまして、それにもとづいてのワーキンググループの検討ということになります。従いまして年次計画の期間につきましても、適切な期間ではないかというようにかんがえております。
山村さちほ議員 検討委員会のなかで、見識のある方々がいろいろ論議してもらってから、中身としては県民の声が反映されているというお答えだったと思いますが、その検討委員会の方々も、実施にあたっては、やはり議論がもっといる部分があると言って折られます。私が聞いたのは、県の計画を早くつくったという問題ではなくて、計画で統廃合していく、その計画が、実際に早すぎるということを行っているんです。実際に、いろいろな準備をして、実際に県民の声や意見も聞いて、もっと時間をかけてできないのかというのが、みなさんの声なんです。そこのところをお聞きしていましたが。そして私は、本来は、そういうことをすすめるよりも、ゆとりをもって教育ができるように教職員のみなさんも望んでいるし、父母も望んでいる、30人学級への移行、これが可能な時期にきていると思うんです。生徒数が減少していくもとで、学校やクラスがあるわけですから、それを有効につかっていけば、もっといい教育が、いまの状況のなかでできる、そういう条件があるときに、それをしないで、学校施設を減らしていくというやり方は間違っているというように思います。 |