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一般質問2003年6月定例議会一般質問-3/5P
 
山村さちほ県議
2003年6月27日

3.介護保険制度について

山村さちほ議員質問  介護保険の導入にあたって政府は、「施設から在宅へ」とうたっていましたが、実際には、1割の利用料負担が重く、必要な在宅サービスが受けられない状況が生じています。またサービスの利用限度額が在宅では低く設定されているので、24時間のサービスを受けるには多額の自己負担をしなくてはなりません。この結果、負担の相対的に軽い施設入所への流れが強まっています。
 特別養護老人ホームの待機者は、すでに県の調査でも2300人を超えており、今後の施設整備計画からみても、全く不足しています。
 政府は特別養護老人ホームの「入所判定」で優先順位を導入するという一時しのぎのご都合主義とも言える方式を導入しました。これでは、「待機者の激増の原因にメスを入れず、順番を入れ替えるだけで、現場に責任をおしつけるもの」と施設側からも批判がでているように、解決につながらないことは明白です。
 次々と相談が寄せられていますが、「なんとかして」という悲痛な訴えは深刻です。
 高齢者の35.3%が要介護者をかかえ、60歳以上の人が65歳以上の要介護者の世話をする老々介護の割合は54.2%と半数を超えています。病弱な夫が、痴呆の妻を介護しながら自分も「いつ倒れるかわからない」、なんとか施設に入れないかという相談や、先日は、リストラにあった息子さんが、サービスの利用をできるだけ削って、高齢の母親の介護を続けていましたが、苦しみのあまり、ついに自殺をされ、残されたお母さんをあずかってくれる入所先がみつからず、ケアマネージャーが大変な苦労をして、やっと、ベッドの空いていた病院へ入院させてもらったという例もありました。
 このような差し迫った現在の状況に、県としてどのように対応するのか、当面の打開策が求められています。


特養待機者をなくすために必要な施設整備をすすめ、同時に在宅でも 24時間サービスがうけられる体制づくりが求められています。宅老所(小規模 多機能施設)など実態にみあう施設支援を

山村さちほ議員質問  まず第1に、待機者の具体的な状況を本人や専門家の意向を聞いて、自治体が、ていねいに把握すること。そのうえで、当面絶対に必要な整備数を確保するために、施設を早急にふやすこと。
 そして第2に、施設入所に待機して困っている人が、どこに住んでいても、在宅でも24時間365日、安心してサービスがうけられるように、在宅サービスの基盤をつくること。ただしその場合、介護保険利用限度額を超えるサービスは自己負担になることから、利用料の負担を軽減する支援を強く要望しているところです。
 さらに第3に、特養でなくても、介護をうけることができる生活の場を、身近なところに工夫してつくっていくことが求められています。
 すでに他府県では、たとえば長野県のように、介護保険上の基準には合わないけれども、地域の実情にあわせて、5人くらいの方をおあずかりできる宅老所など実態にみあう方法で、地域でささえていく工夫をしている例が生まれています。
 以上の3点で、奈良県としてはどのような対策をとられるのか、おうかがいします。

橋本弘隆福祉部長答弁  具体的な待機者の状況を踏まえ、早急に増やすべきではないかとのお尋ねでございます。特別養護老人ホームの整備につきましては奈良県介護保険事業支援計画および奈良県老人保健福祉計画にもとづき実施しているところでございまして、平成14年度末の整備数は4371床でございます。14年度の整備目標であります4167床を200床以上うわまわる整備となっております。また、特別養護老人ホームの入所申込者の状況でございますが、昨年2月に施設と市町村の協力を得まして、調査をおこないました。重複申込者やすでに他の施設に入所しておられる方等を精査いたしました結果、2382人となっております。このうち、老人保健福祉施設や病院に入所、入院されている方が1124名、全体の47%でございます。在宅で入所を希望されている方は1036人、43%となっておりまして、早期に入所を希望されている方もおられるものの、3282人すべての方がいますぐに入所を希望されている状況にはないとかんがえております。こういった利用者の動向も踏まえまして、第2期計画におきます特別養護老人ホームの整備目標数につきましては、国から示されました参酌標準は高齢者人口の1.5%でありましてが、1.8%とし、19年度の整備目標を5366床といたしました。これによりまして、今後5ヵ年間に約1000床の整備を図ることとなります。また、今後の整備方針といたしましては、計画期間の前半に積極的に整備をおこなうことといたしておりまして、平成15年度におきましては創設5施設、増床2施設、合計341床の予算を計上しているところでございます。
 次に在宅での24時間サービスが提供できるように体制をとるべきではないかとのお尋ねです。在宅で24時間介護を必要とする方に対するサービスの提供にあたりましては、個人のニーズを的確に把握して対処する必要があります。
 今回、介護報酬の見直しが実施されましたが、その中で、在宅介護支援の質の向上を図る観点から4種類以上のサービスを定めた、ケアプランを作成する場合の加算措置が導入されました。この見直しの趣旨にもありますようにホームヘルプサービスや訪問入浴、ショートステイなど複数の介護保険サービスをその方のニーズにあわせて、上手に組み合わせて利用していただくことがまず考えられます。このほか、たとえば、介護予防地域ささえあい事業のなかのメニューが活用できないか、あるいは全身性障害者の方には介護保険で対応できない部分については、障害者施策で活用できるものがないか、などといったように介護保険外のサービスを含め、保健医療福祉を含めた各種サービスを有効に組み合わせて利用することが考えられます。
 これらをコーディネートするケアマネージャーの役割が、そういう意味ではますます重要になってまいります。そこで、県といたしましては、こうした各種サービスをコーディネートするケアマネージャーの資質の向上にいっそう努めますとともに、ケアマネージャーへの支援体制をバックアップするために、ケアマネジメントリーダーの要請などを中心とした事業を実施することとしているところでございます。
 特養の位置づけではなくても介護をうけることができる施設、たとえば宅老所をつくるなどの工夫をすべきではないかというお尋ねでございます。
 高齢者が住みなれた地域で長く安心して暮らす上で、介護予防を推進し、地域で高齢者の自立生活をささえることは大変重要だと考えております。介護保険対象の高齢者に対しましては、デイサービスセンター、平成14年度の実績では県下245箇所ございます。このデイサービスセンターで入浴、食事、日常生活の世話などを提供しておりますし、痴呆性高齢者グループホーム、平成14年度の実績では29施設で定員344人となっております。このグループホームでは食事の支度、掃除、洗濯等を共同でおこないまして、家庭的でおちついた雰囲気のなかで生活を送るシステムができているところでございます。宅老所につきましては、県内でNPO法人が運営をしているところが2箇所ありまして、話し相手やレクレーション、食事の提供等を実施されておられますが、介護保険制度上には位置づけはされておりません。
 介護保険制度は施行後5年を目途に制度全般に関して検討を加え、必要な見直しをおこなうこととされており、国では本年5月に、社会保障審議会のなかに、介護保険部会をもうけまして、1つには、被保険者、利用者の範囲とか、さらには施設体系についてなどが検討されているところでございます。そのなかで、施設と在宅の間の第3のカテゴリーとして、宅老所と呼ばれております民家をつかった小規模なデイサービス等を中心に必要があれば宿泊することもできる地域密着型の小規模多機能施設が検討されているところでございます。県といたしましても、高齢者の方が住みなれた地域を離れることなく、介護をうけられるよう小規模多機能型施設を制度化し、所要の財源を確保するよう国に対し、要望提案をしておりおますが、今後とも国に強く要望していく所存であります。

処遇が困難な事例への対応が求められています。県、市町村の責任ある対応を

山村さちほ議員質問  介護保険はサービスの利用と提供を当事者どうしの契約によって、おこなう方法をとっていますので、自治体の責任は保険者として制度の管理運営に限定されているのかのような受けとめをされていることがありますが、保険者として、単に制度の管理をするだけでなく、被保険者に必要なサービスが届いているかどうかチェックし、十分にみたせていない問題があれば改善を図る責任があります。さらに、サービス提供に不足があれば自らサービスを担う責任もあります。
 処遇の困難な事例について自治体に責任をもった対応をしてもらえず、ケアマネージャーが問題を抱え込んでいる相談をよく聞きます。自治体は介護保険をはなれても、住民の生活を守る責務があります。こうした県や市町村の役割について県はどのように考えていますか?

橋本弘隆福祉部長答弁  昨年度、市町村介護保険計画の見直しが実施されました。県においても介護保険事業支援計画の見直しを実施したところでございます。この見直しにあたりましては、市町村は介護サービス利用者の利用実態調査や介護事業者の参入意向等の調査の結果を分析いたしまして、第1期計画の達成状況の点検をおこなったうえで、被保険者、要介護者の実態を踏まえまして、利用者本位の介護サービス提供体制を確保するよう必要な事項を定められたところです。また、介護サービスが本来の目的にそった形で提供され、高齢者の自立支援に資するものとしていくという観点から、サービスの内容と費用の両面からチェック機能を働かせることが、今後重要な課題となってまいります。このため、介護保険事業の実施状況など現況把握にもとづきまして、適切なケアプランの確保やサービスの適正な利用の促進を図ることに加えまして、介護予防の推進や高齢者の健康の維持増進などさまざまな取り組みが求められることとなります。県といたしましても、介護給付の適正化をめざしまして、県と保険者が連携して介護サービス事業者への指導を強化することはもとより、国保連合会が構築をいたします給付分析システムを利活用し、県、保険者、国保連合会の3者が有機的に連携しあう新たなネットワークづくりを推進していくなど、保険者である市町村が積極的に各種事業に取り組めるよう支援をしてまいる所存であります。
 なお、介護保険の利用だけで高齢者の生活の質が十分向上するものではないことから、地域での見守りやささえあいなどにより、高齢者がそれぞれ住み慣れた地域で安心して生活していけるような機運を盛り上げていくことが、今後ますます重要になってくると考えられます。今後もいっそう、市町村と連携しながら、市町村地域福祉計画の策定の支援などをとおして、この機運の醸成につとめてまいります。

山村さちほ議員質問  私、お聞きいたしましたのは、いろいろ計画をたてていただいて、計画の見直しをして、施設の整備をしていただいているけれども、現実の実体とあっていなくって、緊急の対策がどうしてもいる、こういう状況になっているから、特別の、いま必要な緊急の対策を考えてほしいと、このことが県民の願いであるというように思うんですけれども、そういう立場で考えていただいているのかどうか、聞きたいというように思います。

橋本弘隆福祉部長答弁  第2期の計画におきましては、国から示された参酌標準どおり、施設整備を計画したのではなしに、市町村に対しましてはこの1.5%を基礎にさらに、市町村におきます入所申込者の状況等を勘案して、それを計画に反映していただくようにお願いを申し上げて、したところでございます。さらに、その市町村からの数字に県といたしましては、ベッドの稼働率等をさらに計上をいたして、1.8%まで、ということで今後5ヵ年1000床の増床をするとうことにしたところでございます。
 なお、本年4月からは、緊急に入所を必要とされる方につきましては、本人の状況や家族の状況等勘案いたします優先入所指針を策定をいたしまして、運用いたしているところでございます。

山村さちほ議員質問  計画の見直しをやっていただいて、県として多く見積もっているということも、前から聞いていますけれども、それでも足りない現実は、ぜんぜん変わらないし、優先順序を入れ替えたところで、絶対に困っている人たちはどうして、助けてもらえるのかと日々くるしんでいるわけですから、それに見合う対策を、本当にとる気持ちがあるのか、それを考えていただく気持ちがあるのか、そういう点でお答えは不十分であったと思っています。

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