1.有事法制について知事の見解をただす
山村さちほ議員
有事法制について知事におたずねします。今国会で、憲法違反の有事関連法案が、国民の大きな反対のもとで、十分な国会審議もされずに、成立しました。政府は、「せめられたときのそなえ」といいながら、アメリカの先制攻撃で開始された戦争で発動される、法的な仕組みであることも否定しませんでした。
武力攻撃事態法は武力攻撃を「わが国に対する武力の攻撃」と定義していますが、国会の政府の答弁ではその「わが国」とは、日本という地理的領域だけでなく、領域外に展開する自衛隊も含まれ、周辺事態法やテロ特措法により、日本の領域外で米軍の「後方地域支援」や「協力支援」をする自衛隊もわが国となり、これに対する報復の「武力攻撃」が「おそれ」ないし「予測」されれば、武力攻撃事態法が発動することになるというのです。このような、海外での米軍支援による戦争の「おそれ」や「予測」の段階から国民を総動員できるしくみをつくる恐るべき法律です。
この法案が、衆院を通過した直後の新聞報道では、日本自治体労働組合総連合がおこなった全国の自治体首長へのアンケートでは、約4割が慎重審議、反対を唱えているとされ、5月15日付朝日新聞でも8割の知事が政府の説明は不十分と答えていると報道されています。
現行の自衛隊法では国民を戦争に協力させるという防衛庁長官の「要請」に答えるかどうかは、都道府県知事の権限のもとにあります。ところが、有事三法では、知事が反対しても政府が自治体に対して指示権をもつようにして、それでも、従わなければ、政府自ら執行できるようにしたのです。土地収用の調査に応じなかったり、物資保管命令に従わない国民には、刑罰がかせられます。この「代執行」の権限の実施に関することは、別に法律で定めることになっています。
地方自治権の制限、国民の権利を侵害するこのような仕組みを今後、法で定めることに対して、憲法を守り、県民の命と財産を守る知事として、政府に反対の意思を表明されるよう強く求めますが、いかがでしょうか。
柿本善也知事 まず、すでに成立した法律でございますが「武力攻撃事態等におけるわが国の平和と独立、ならびに国および国民の安全の確保に関する法律」等の、いわゆる有事関連法案でございますが、これは、はやり、武力攻撃事態という緊急、重大な事態が生じた場合における国民の生命身体財産を守るための基本的な法律でございます。私は必要であると考えています。
この有事関連3法が、そのような事態が生じた場合における国民の安全確保に関するものでございますので、やはり、国民にこの法律の趣旨や内容がよくわかるように、政府において十分PRしていただくことが必要であると思います。この点は従来から、いろいろな場所で私も申し上げてきたところでございまして、そういう趣旨を、今後も必要なときには申し上げていきたいと思っております。
次にこの、法律のなかで、内閣総理大臣自らが実施する対処措置についてのお尋ねでございます。先ほど申し上げました有事関連法制にもとづきまして、今後、国民の保護のための法制として整備するなかで具体化されることになります。その根拠規定だけがおかれたわけでございます。その際には住民の生命身体および財産を守る責務がある地方自治体の立場を考慮して、引き続き十分な情報提供をいただきたいと考えております。具体的な内容が次に提案される法案で、でてくるわけでございますので、そういうお願いを従来からもいたしておりますし、今後もそういう姿勢で臨みたいと(考えております)。いずれにしても国民の保護のための法制についていまだ具体的な法案が示されてない段階でございます。今後、地方公共団体の意見も踏まえながら、国会において十分な審議をお願いいたしたいと考えています。
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