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一般質問2002年2月議会一般質問-3/7P
山村さちほ県議
2002年3月11日

3.岩井川ダム建設計画は、総合的な治水対策拡充、保水力の高い森林の育成、河川改修、流域排水の改良、市街地乱開発の抑制で代替は可能

山村さちほ議員質問岩井川ダムの工事予算は、当初132億円から、今年度195億円とされています。一般に日本のダムでは、ダム堤たいに対して水量をどれだけ貯留するかという指数でみると、400〜500倍、少なくても100倍とされています。外国なら1000倍〜数千倍ですが、岩井川ダムは7.5倍であり、効果からみても大変なむだなお金の使い方だと専門家が指摘しています。この点、どう考えられますか。
 岩井川流域の治水対策はダムだけではなくて、大和川流域の総合的な治水対策の一環だとされています。年に2〜3回も床下浸水する住民からは「100年に一度の大雨に対応するダムをつくるといいますが、毎年繰り返している水害(浸水被害)に効果があるのでしょうか」と疑問の声があがっています。
 現在、流域でおこっている水害は、人口の急激な密集により市内の水路や下水の整備がおくれ、内水の排水ができないことが原因だと訴えられています。たしかに、調査に現地へいきますと、JRの土手が排水を妨げています。専門家の調査で、過去の水害の多くは佐保川の水が岩井川へ逆流しておこる水害であり、岩井川と佐保川の合流点や能登川と岩井川の間にふった雨水が排水されずにおこる浸水と指摘されています。ここ数年、奈良市神殿地域で毎年繰り返される浸水被害は岩井川の氾濫、増水によっておこっているのでしょうか。また、この地域の浸水対策は緊急を要しますが、どのように考えていますか。奈良市は住民の強い訴えをうけて、市内全域の浸水対策をすすめるとしたら、約205億円かかると試算をしています。岩井川流域だけなら、もっと費用は少なくてすみます。
 ダムの計画当初から、遊水池や河川改修など他の方法での対策と比較検討する資料は提案され、住民に知らされてきたのでしょうか。
 世界遺産のバッファゾーンの外とはいえ、つけかえ道路はゾーン内でありダムは隣接する場所です。この景観や、大きく自然を変えることについて、どの場所で、どのような検討がされたのでしょうか。
 環境については問題ないとしていますが、ダムの水は酸素不足で落ち葉などの有機物の分解がすすまないなど、水質の悪化はさけられません。維持水量を確保して流すとしていますが、この水を流せば、生態系への影響や微細どろなどの河川への沈殿、土砂がダムでせき止められ、流れて来ないことによる影響もおこります。
 岩井川はもともと土砂の多く流れる川ですから、ダム内への堆砂は多くなります。県は土砂は他のダムの実績にもとづいて、より多く見積もり、100年分たまっても12万立方メートルの容量見込んでいるから大丈夫だと、お聞きしました。しかし、ダムのガンと呼ばれるこの堆砂は、国土交通省と水質資源開発公団が管理している83カ所のダムのうち、すでに堆砂計画容量をこえたのが2つ、2倍のスピードで進行しているところが16カ所、3倍以上は9カ所、設計どおり100年もつのは34カ所だけで、半分にもなりません。
 川上村の大迫ダムでも、増え続ける堆砂に悩んでいます。100年以上たてばいずれは巨大な廃棄物になり、災害の危険物ともなるダムはできるかぎり作らない方がよいというのが世界の流れです。現在アメリカでは、ダムの撤去がはじまっています。
 岩井川ダムは、遊水池をつくるなど、現在すすめられている総合的な治水対策をより拡充して、保水力の高い森林の育成や、河川の改修、流域での排水下水の改良、市街地の乱開発の抑制をおこなうことで代替が可能だと考えます。よって建設はいったん中止して、見直すべきだと考えますがいかがでしょうか。

前田諭土木部長答弁〈公共事業の見直しについて〉本県は平成10年10月より公共事業の効率性、事業の実施過程の透明性のいっそうの向上を図るため、外部の学識経験者、有識者からなる奈良県公共事業評価監視委員会を設置し、事業採択後、一定期間を経過した公共事業の再評価を実施しているところです。再評価にあたっては事業の進捗状況、費用対効果分析、コスト縮減や代替案の可能性、社会経済情勢の変化等の多角的な視点から事業継続の適宜の判断をいただいているところであります。事業の採択時には再評価と同様に費用対効果分析をはじめ、事業の必要性や効果、効率性等の総合的な視点から評価し、事業箇所の重点化をはかっているところです。事後評価も、今後の国等の動向を注視しつつ、評価のあり方を検討していくつもりです。
 〈関係住民の同意をえてすすめることについて〉公共事業をすすめるにあたって、関係住民の方々のご理解とご協力を得ることはきわめて重要と認識しており、事業等に関する情報の提供に努めています。さらに事業にたいする住民の意見の聞き取りについては説明会等をつうじて直接聞く方法、住民からの意見書の提出の文書による方法、インターネットを介する方法等も実施し、特性に応じた有効な方法によりとりくんでいます。今後とも多くの関係住民の方々からご意見をうかがい、考慮しながら、公共事業の推進に努めていきます。
 〈岩井川ダム事業の推進について〉議員ご指摘のようなダム堤体積と貯水量の関係を指数で例示したダムは直轄や水資源公団による大規模なダムであると思われますが、そのような規模のダムは大和盆地の地形的特質からみて大和川流域につくることはできないのが実情です。しかも大和盆地は人口が集中して人口密度が高く、大規模な遊水池をもうける適地がきわめて少なく、また人家煉丹のため河川の拡幅も難しいことからダムによる洪水調節は実情からみて、大和川の治水対策としてきわめて有効で、現実的手段だと考えられます。岩井川ダムは有効貯水量は69万リューベで、堤体積の約8.4倍ですが、計画上ダム地点で洪水流量毎秒55トンを10トンにまで低減することにより、岩井川の下流で洪水の最高推移を最高で約1メートル低下できるなどの効果があります。想定区域内の資産の大きさなどからみて判断した費用対効果からみても、十分、経済的妥当性をもつものです。このような観点からも決して、ダムが非効率で無駄であるとは考えてはおりません。
 奈良市神殿地区は地蔵院川流域でありますが、岩井川が氾濫した場合被害が及ぶ地域であり、岩井川の氾濫被害をふせぐためにも、岩井川ダムの建設は必要です。ご指摘の神殿地区の浸水被害は調査結果によりますと、近年増加している短時間の局所的豪雨により道路排水などがあふれたものであります。県としては、神殿地区を含む区域内での浸水被害の軽減を図るため、地蔵院川の改修の進捗を図り、あわせて地域内の水路整備についても奈良市と調整を図っていく所存です。内水問題も、まずはこれらを円滑に排水し、受け入れる河川本線の洪水対策が重要です。
 景観や自然への影響は、ダムは大規模構造物でもあり、計画当初より、総合的かつ綿密な環境調査をおこない、周辺自然環境への配慮と保全対策に努めてきたところです。
 付け替え県道は平成10年に、世界遺産に登録された古都奈良の文化財のバッファゾーンに含まれ、古都保存法と県風致地区条例にもとづく手続きを踏まえ、古都審議会の審議をいただき、ダム本体を含む周辺景観の計画に了承を得ました。さらに、ダム事業の実施に際しても環境整備や環境保全対策をおこない、周辺の環境や景観と調和のとれたダムにすることとしており、十分配慮をしていきます。
 岩井川の治水対策についてはまず河道改修をはじめ、放水路、遊水池、ダムの各手法を総合的に検討しました。家屋移転、用地取得、地形条件等から事業の実現可能性と効果等を検討し、ダムが最も適切で現実的であり、かつ経済的な治水対策であると確信しています。

山村さちほ議員質問部長は費用対効果など詳細に検討した結果、ダムをつくるのが一番有効な対策だとおっしゃられたわけですが、この岩井川ダムに関連して情報公開がされるすべての資料についてお示しいただきたいということで、申し入れをさせていただいていますが、未だ、それはいただいておりません。そして、当初から住民にはどのような対案があるのかということを知らされていないと聞いております。その情報公開についてお聞かせください。

前田諭土木部長答弁岩井川ダムの情報公開は、河川整備計画等整備にあたっても情報公開をしており、これからも県情報公開条例にのっとって必要なものについては積極的に公開をしてまいりたいと考えています。地元のご意見、あるいは説明等の要求があれば、必要に応じてお話しして、ご理解を得るよう努力してまいりたいと考えます。

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