国際文化観光・学研推進・遷都1300年記念事業推進対策特別委員会(田中美智子)
2008/06/26

平城遷都祭 2010年実施を先行させては新たな無駄を生むことに

田中美智子議員
 平城遷都1300年祭実施基本計画と国営飛鳥・平城宮跡歴史公園平城宮跡区域基本計画の検討委員会、特別史跡平城宮跡保存整備基本構想推進計画にかかわって、いくつか質問したいと思います。
 平城宮跡をこれからどのように保存、活用していくか、整備していくかということについては、それぞれの主体が重なり合っていると思います。1300年事業は結局はどのように展開していくのか、どこが責任をもつのか、これがどうも私には、いろいろな資料を見させていただいたところでは、はっきりしないのです。そこをはっきりさせたいと思い、いくつか質問をしたいと思います。
 平城遷都1300年祭実施基本計画は4月に決定されました。平城遷都1300年記念事業協会がおこない、協会が決定した計画によりますと、「国の国営公園化事業とあいまって1300年事業を推進していく」などとしてきたわけです。この実施基本計画のなかでは、「国営公園化事業とあいまって」の部分は見えません。その点で、国営公園化事業のスケジュール、先ほど9月までの分はおおまかに知らせていただきました。9月に基本計画を決定するということでした。これについては基本計画検討委員会がつくられているわけですが、ここでは計画案を、9月の4回目の委員会で決定するとなっています。そのあとの計画の決定をするのはどこが決定するのですか。責任主体はどこかについて改めてお聞きしたいと思います。 その前の5月に、文化庁が特別史跡平城宮跡保存整備基本構想推進計画というのを決めました。これは約20年間にわたって平城宮跡をどのように整備していくかという推進計画を示したものです。この計画に基づいて国営公園化の計画もつくっていくといっています。そして今度は、その進捗をみながら平城遷都1300年祭をしていくということです。
 平城遷都1300年事業のこれから、祭りを始めるまでに国営公園化事業はどのようにすすんでいくのかということについて、お伺いしたいと思います。

水本正之公園緑地課長答弁
 国営公園の事業スケジュールと計画決定の事業主体の質問でありました。まずスケジュールは、検討委員会が現在2回終了しております。今後、4回ほど重ねまして9月に検討委員会としての基本計画案を策定します。その後、正式に国として基本計画という形で決定されることになっております。また、並行しまして基本計画案として都市計画の手続きに入り、地元説明会などを経て本年中に都市計画決定をするというスケジュールとなっております。


田中美智子議員
 都市計画決定をしたあと、文化庁にたいして文化財保護審議会に審議をかけて、そこで決定という手続きが必要になります。世界遺産委員会にも形状変更をするかと思いますので、報告がいるかと思いますが、その点はどのように国からの説明をうけていますでしょうか。

水本正之公園緑地課長答弁
 基本計画案を作成したあとは、文化庁への現状変更申請をつけて、あげていかれると思います。


田中美智子議員
 それはいつですか。これで具体化していけるということになるのはいつくらいと考えておられますか。

水本正之公園緑地課長答弁
 時期については今のところ不明でございます。


田中美智子議員
 世界遺産委員会への報告についてはお答えがございませんでした。また、後でお答えいただけたらと思います。スケジュールが今、具体的にはわかっていないということでした。ということは、国営公園化事業とあいまって、平城遷都1300年祭をすすめていくということ、平城宮跡事業にはかなり矛盾がでてくるのではないかと思っております。そこで、いくつか質問をさせていただこうと思います。
 実施基本計画案のなかで、財源の問題について書いてあります。事業費は約100億円程度、収入は公的資金が80億円、民間資金が20億円で合計で100億円程度だとしています。そして、下のところに「なお、上記支出は協会が負担する経費をかかげており、国、県、市町村など協会以外の主体の経費は含めていない」と書いてあります。奈良県が協会にはどれくらい出しているのですか。協会にだす以外でこの事業にどれくらいの事業費をだそうと考えておられるのか伺います。
 平城京フェアのなかで、大極殿院、朝堂院、朱雀門周辺、東院庭園などでの古代行事〜とありますが、朝堂院というのは朝堂院跡と解釈していいのでしょうか。朝堂院は実際の祭のときにはできているところとできていないところがありますので。朝堂院については、どのように考えておられるのか聞いておきたいと思います。
 平城宮跡会場での祭事、展示の展開イメージでは、平城宮跡の南、朱雀門の外に総合情報案内センター展示施設、平城京歴史館というのがあります。これについて知事は、一過性のものは建てないという方向で考えているとおっしゃっていました。この2つが整備予定と書かれているものについては、国営公園化までのつなぎとして、使用していったらいいのではないかと考えているように聞いておりますが、これはどこが責任をもって整備していくものなのでしょうか。事業費はいくらぐらいを想定して建てていくのでしょうか。
 そして数年つかうことになるのか、この建物をつかう長さはどの程度を考えておられるのか。遷都祭が終わっても使っていくとことになりますと、維持管理に費用もいりますし、人の配置も必要になってきますが、その点はどのように考えておられるのか。
 もう1点、平城宮跡へのアクセス、京都から30分、大阪から30分〜40分、そして、周辺駐車場からのパークアンドバスライドとあります。このことについてめどはついているのでしょうか。仮設のバスターミナルはどこに、どの程度のものを考えて折られるのか。近鉄西大寺駅から会場までの歩道の整備は今、どのような状況になっているのか、お伺いしたいと思います。

久保田幸治文化財保存課長答弁
 ユネスコへの報告について私のほうから答えさせていただきます。国連への報告義務は、文化庁にございますが、世界遺産委員会におきましても条約締結国が資産の顕著な普遍的価値に影響する可能性のある大規模な復元、または新築工事をしようとする場合には、その旨を事務局を通じて委員会に報告することとなってございます。
 先ほどの答弁にもございましたとおり、現時点で具体的なことはまだのようでございますので、その必要が生じましたときには国から報告がされるものと理解しておりますし、その際には県としましても全面的に協力してまいりたいと考えております。


中島敬介遷都1300年記念事業協会総合企画課長答弁
 実施計画にあります収支についてですが、100億円の事業の外にある事業費、特に県の事業費がどれだけあるのかという質問があったかと思いますが、県も含めましてさまざまな事業の参加であるとか協力の支援を求めていくということになり、それぞれについての事業費の積算はまったく想定はいたしておりません。参加していただく主体のそれぞれの積み上げで事業費はできあがっていくと考えて下ります。
 協会の公的資金のうち80億円のうち、県の負担はどれだけかということでございますが、現在、比率配分につきましても早急につめるべく、今検討しているところでございます。
 古代行事をおこなう朝堂院は「跡」なのかということでございますが、これはもちろん、かつて朝堂院がおかれていた場所という意味でございます。


福嶋俊和遷都1300年記念事業協会施設課長答弁
 展示施設に関するご質問にお答えします。平城遷都1300年祭は2010年を契機にもりあげ、さらに奈良の継続的な観光振興に資するためできるだけ2011年以降の継承をめざしているところであります。このような観点から、当該展示施設についても、多くの来訪者に平城宮跡や平城京の歴史文化を理解していただく施設として平城遷都1300年祭までに整備するとともに、2011年以降当分の間、将来の都市公園の区域内に設置を想定しておりますので、公園として本格的に整備されるまでの当分の間、残していきたいとは考えて降ります。整備主体は、このようなことから公園として本格的に整備されますあいだ、存置できるよう整備主体について県等で調整しているところでございます。事業費については現在、具体的な計画検討をすすめているところでございます。事業費、維持管理費等について現時点では未定でございます。すみやかに、検討をすすめてまいりたいと考えております。


秋里登平城遷都1300年記念事業協会次長答弁
 交通アクセスにつきましては協会は県土木部と綿密な連携をとりながら、道路、鉄道の両面からの総合的な交通網の輸送計画を検討いたしておるところでございます。平城宮跡会場にかかる交通施設といたしましては、宮跡内に仮設の駐車場、これは規模といたしましては約3ヘクタール、台数にしまして約900台ないし1000台の仮設の駐車場を整備させていただくところでございます。シャトルバス、団体バス、自家用車に対応してまいるよう今後、検討をしてまいりたいと考えております。
 なお、土木部がすすめておられます奈良市域関係の渋滞対策に関しましても、あるいは歩行者経路の検討に関しましても連携しながらすすめてまいりたいと思っております。これに関しましては、地元奈良市、さらには警察当局、交通事業者、等関係各位と協議しながらすすめてまいりたいと思っておるところでございます。


田中美智子議員
 奈良県の持ち出しの事業費についていくらになるかなどはわからないということでした。南側に整備予定の展示施設につきましても、どこが建てるのやら、どれだけのお金がいるのやら、管理運営はどこがするのやらそれもまだ未定ということです。これって本当に具体的に、無駄のないみなさんの願いにあったような形でいけるのか、無理があるのではないのかということがいよいよはっきりしてきているのではないのかと思わざるをえません。
 こうした大型の事業やイベントは無駄遣いがあるのではないかとか、県民の声を十分に聞いてということではないのではないか、非民主的ではないかと、こんな声もたくさん聞いているわけです。
 私は、無駄のない、身の丈にあった内容にじっくり、住民の願いにもとづいてしていかなければならないと思います。どうも国営公園化事業が具体的に、動きそうもない。であるなら奈良県が中心なってやらないといけないのかなどということで、急いで、2010年にと進めていくということになりそうです。こういうやり方というのは、やはり問題があるということを指摘しておきたいと思います。
 歩行者の導線問題では平城宮跡内の駐車場は説明がございましたが、パークアンドバスライドについては具体化できていないということだろうと思いますので、全体を考えますと、最初に申しました文化庁の計画を土台にして、じっくり検討してすすめるべきであり、2010年に間に合わせるためにと、無理をしたら、そこに無駄がでると思いますので、ここは一路推進ではなく見直していくべきだということを申し上げておきたいと思います。
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